診療案内

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小児一般および小児喘息を主としたアレルギー疾患の診療を行います。

乳幼児健診・予防接種

診療時間:月・火・水・金/14:00〜15:30
予約制となっておりますのでお電話でご予約ください。

乳幼児健診

乳幼児健診

6、7か月健診、9、10か月健診、1歳6か月健診

3、4か月健診、3歳健診については武蔵野市のホームページをご覧下さい。

予防接種

武蔵野市で行う予防接種

ヒブ/肺炎球菌/三種混合(DPT)/四種混合(DPT-IPV)/BCG/不活化ポリオ/麻疹風疹(MR)/日本脳炎/子宮頸がん/二種混合/水痘(クリニックからのお知らせの水痘ワクチンの定期接種 を参照)

当院で行っているその他の予防接種

水痘/おたふくかぜ/インフルエンザ/ロタ/B型肝炎/A型肝炎(1歳以上)

世界中で予防接種を受けず亡くなっている方が毎年260万人生じています。
日本は予防接種後進国と言われています。定期、任意接種でのワクチンの重要性には全く差はありません。
ぜひすべてのワクチンを接種されるようお勧めいたします。

 

クリニックからのお願い

下記の症状がある場合、受付にお申し出下さい。

伝染性疾患の疑いがのあるこどもたちのお部屋は別に分けています。

お鼻のお薬について

風邪やアレルギー性鼻炎、花粉症で鼻水の薬としてよく抗ヒスタミン薬が処方されます。特に発育中の脳では薬が脳内に移行し痙攣を起こしやすくしたり、眠気など症状がなくてもImpaired Performance : IP(ちょっとした集中力、判断力、記憶力、作業効率の低下など、気づきにくい能力ダウンです)が損なわれ、授業中眠くないのに成績が落ち、薬の変更や中止で回復することがあります。

眠くなければ大丈夫とは全く関係ありません。これらの薬の中には大人が1回分飲んでウイスキーのシングル3杯、又はビール3杯飲んだのと同じぐらいIPが低下するものもあります。アメリカでは説明なしに処方され車を運転し、事故を起こした場合処方医が訴えられたり、図のように37州及びワシントンDCでは車の運転が禁じられています。また運転はしなくとも一人で歩いているとき、不注意のため交通事故にあう頻度が増えるかもしれません。国内販売の薬で説明書にIP低下の記載がない(心配ない)薬剤は3種類だけですが年令により使用制限があります。特にアレルギー性鼻炎や花粉症で服用する場合、中~長期になるため御心配でしたら御相談ください。

抗生物質の適正使用について

ウイルスと細菌(バクテリア)は全く異なるものです。抗生物質は細菌に対し殺菌的または静菌的に作用するものでウイルスには全く効果がありません。いわゆる風邪の90%以上は風邪ウイルスですから抗生物質の効果は極めて限定的です。しかし風邪で発熱時に抗生物質を飲んだら早く熱が下がったと思われる方も多いと思われます。
これは①関係性の錯誤に起因しています。抗生物質を飲 だから解熱し(因果関係)もともとウイルス感染は高熱が出ても1~3日位で解熱するので飲まなくても自然に下がる(前後関係)が一緒になり関連性の錯誤を起こしてしまいます。そのような経験が何度かあると飲まなければ治らないという②確証バイアスがかかり③抗生物質依存へのスパイラル現象 が成立します。

①関係性の錯誤
因果関係
前後関係

②確証バイアス

③抗生物質依存へのスパイラル現象

①  西村龍夫 子どもの風邪:新しい風邪診療を目指して 南山堂2015 

以前頻繁に抗生物質がつかわれた理由として、肺炎や髄膜炎などの重傷感染症が風邪(様)症状で始まることがあるためその重症化予防を期待してでした。その結果は何ら効果なく、かえって髄膜炎では神経学的予後が悪くなってしまいました。理由は髄膜炎を疑った場合、髄液を採取し原因菌を特定してから最も有効な抗生物質を投与しますが、あらかじめ内服すると細菌が検出されず経験的な抗生物質の使用になってしまうからです。むしろ重症感染症を疑った場合必要なのは慎重な経過観察(active observation)です。
以上のようなことで抗生物質乱用の時代が続き今では耐性菌だらけになって感染症治療に難渋しています。もちろん今でも溶連菌感染や細菌性肺炎では抗生物質は必要ですが気道感染症ではその使用は限られています。
以前抗生物質ができたころ『人類は細菌に勝利した』と宣言する人もいたほどですが今はその逆になってしまいました。
「安心のため」「念のため」の抗生物質使用は余計なお世話でかえって診断の遅れや予後を悪くすることがあります。

授乳(妊娠)中の内服について

授乳中、病気になると薬は飲めないものとをあきらめてはいませんか?我慢をして風邪が長引いたり、気管支炎や肺炎になればかえって赤ちゃんへの影響が出ないとも限りません。たしかに多くの薬には(妊娠)授乳中で制限があり、薬の説明書で全体の75%の薬で「授乳を中止させるか避けてください」、13%は「治療上の有益性が危険性を上回るときに投与」とほとんどの薬には注意書きが記載されています。
ところがユニセフ / WHO(世界保健機関)やアメリカ小児科学会では授乳禁忌は3%、注意すべきあるいは影響の懸念のあるのは23%、その他74%の薬は授乳に差支えない とあり、これはエビデンス(事実)に基づいています。この差は単に国内では(妊婦)授乳中の母親への検討が未施行なため安全と記載できないからです。基本的に使用できない薬は①抗がん剤②免疫抑制剤③抗精神病薬④放射性物質⑤ある種の抗菌薬や鎮痛解熱剤です。

ご存じのように母乳にはミルクと違い多くのメリットがあります。
例えば

①赤ちゃんへは感染、アレルギー疾患、悪性腫瘍、乳児突然死症候群の予防効果
②母親へは出産前への体重早期復帰、乳がん、卵巣がん、骨粗鬆症の予防効果
③母児相互にとって関係のより緊密化(愛着)形成など
これら母乳の利点を損なうことなく安心して内服できる薬が選べればよいですね。

例えば乳幼児に処方できる薬は安全にお母さんが内服できますし、母親が内服した薬の母乳への移行は1%未満と言われ、母乳中の薬の濃度が上がらない時間に服用すればより安全です。また風邪などに罹患した場合、成人のほうが早く免疫が立ち上がり母乳から免疫物質(抗体やリンパ球)が赤ちゃんに与えられます。たとえ母乳を止めても育児そのものは継続いたします。忙しいお母さん達が自分のためだけ病院に行くのは何かと大変と思われます。

妊娠、授乳中以外でも風邪かな?と思われるときはご相談ください。

(気管支)喘息について

秋は年間を通し最も喘息の発作がおこりやすい季節です。
喘息について簡単にまとめてみました。


《疫学》

小児アレルギー疾患のうち食物アレルギーは頻度が増えていますが喘息は以前より減少してきました。発症は1~3歳がピークで3歳までに80%が発症します。

《症状》

軽い発作であれば夜中や明け方の咳がめだち、呼気時に連続したヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)が聞かれます。喘息の診断はこの喘鳴の確認で決まります。程度が強くなれば横になると呼吸がつらくなるため起坐呼吸となり、さらに吸気時に肋間や首のつけねがひっこむ陥没呼吸になります。

《喘息の病態》

 

気管支が収縮しやすいという気道の過敏性があり、それに発作を起こす原因が加わると気管支の狭窄がおこり、狭い気道を呼気が通過するため喘鳴が生じます。
喘息の本態はアレルギーによる気道の慢性炎症です。

最も問題になるのは炎症が続いたり、発作を繰り返すことで気道の炎症が修復するさいに正しくなおらず、気道壁のリモデリングという気管支壁の肥厚がおこってしまうことです。
リモデリングは 非可逆性の状態であり、そのため喘息の難治化や重症化、成人喘息への移行を引き起こしたりします。

気管支喘息発作の原因

《直接的な原因》

①タバコ、花火、線香、魚を焼いたときの煙やスプレーの使用、
②ハウスダスト、ダニ、カビ、花粉などのアレルゲン、
③いわゆる風邪ウイルス、RSウイルス、マイコプラズマなどの気道感染症など
なかでも
④ダニの糞や死骸は最も強いアレルギー性をしめします。ダニは夏に繁殖し秋に死骸が飛び散り発作を起こします。

《間接的な原因》

季節によるもので・・・
①秋雨前線と台風の時期(9~10月) 
②梅雨の時期(6~7月)
③前日に比べ平均気温が5℃以上低下
 
これらのうち避けれるものは極力避ける努力をしてください。

 

    鑑別すべき他の疾患

    喘息様気管支炎・・・年少児で風邪をひいたときに喘鳴がある場合、この診断名がつけられます。喘息様気管支炎を繰り返すうち、発熱やのどの痛み、鼻水などの風邪症状がなく、急に喘鳴や咳だけが出るようなら気管支喘息の発作かもしれません。また喘息様気管支炎を3回繰り返すと広義の小児喘息として治療を行います。

    咳喘息・・・喘息の軽い状態が咳喘息です。一定の条件、例えば走り回る、布団の上でバタバタ騒ぐ(ほこり)、大泣き大笑い、夜中や明け方に咳がでるなど常に同じ条件で咳が数週間以上も出るようでしたら咳喘息の可能性がでてきます。この場合、喘息と名がついていますが喘鳴は聞き取れません。また風邪での咳と違い、発熱やのどの痛み、鼻水など他の風邪症状や、短期間での症状の変化は見られません。

    細気管支炎・・・RSウイルスの感染で喘鳴があり時に呼吸困難で入院になる ことがあります。生後6か月以下では注意が必要で特に生後2,3か月以 内ですと休止呼吸~無呼吸で発症することがあります。 特別な治療法はなく呼吸管理が主となります。

《治療》

環境の整備と薬物療法に分けられ掃除がきちんとできていると発作が半減するとも言われています。
治療は小児気管支喘息治療・管理ガイドラインがあり数年毎に改定しています。
最新のものは2012年版で、いつから治療を始めるか、どのような治療を選択するか細かに記載されています。ここでは薬物療法についてです。

(最新版が2012年以降出ていないのはなぜでしょうか?)
発作の頻度が年数回までであればそのつど発作への治療を、さらに月1回以上の頻度となれば非発作時にもコントロールのための治療が必要です。
発作時の薬は狭窄した気道を広げるための気管支拡張剤であり、非発作時には気道の炎症を抑えるために坑炎症薬(ステロイド吸入)や抗アレルギー薬(またはロイコトリエン拮抗薬;シングレア、キプレス、オノン)をもちいます。


治療の目標は、小学生以上なら体育の時間を含め、発作のない普通の日常生活がおくれることです。そのためには喘息の本態である気管支の慢性炎症を抑えることが最も重要になり、単なる気管支拡張剤の使用はそのときの発作の回避だけで根本の解決にはなりません。
抗アレルギー薬にも抗炎症作用はありますが、最も有効な手立てはステロイドの吸入です。
ステロイド製剤ではよく副作用が話題になりますが、それは全身投与(内服や注射など)の場合で、吸入のような局所投与では全身の副作用はまず問題になりません。そのため2012年の小児気管支喘息のガイドラインでも吸入操作が可能であれば第一選択となりました。
なお6歳以上で毎日発作が出る場合アドエア(ステロイドと気管支拡張剤の合剤)が治療に入ります。 なお最近は発作時のみ抗アレルギー薬を使用する方法もあります。


2~5歳児用の長期管理に関する薬物療

 

咳喘息を御存知ですか?

長期にわたり咳以外の風邪症状、例えば発熱、鼻汁、咽頭痛、倦怠感などみられないのに下記に示すような一定の条件で咳が出るようでしたら咳喘息の可能性があります。

例として

①走った後
②布団の上でばたばた騒いだり、ほこりっぽい所(部屋)で
③泣いたり、大笑いしたとき
④タバコや花火、線香、スプレーなど煙を吸ったとき
⑤クーラーの冷気で
⑥秋や梅雨、季節の変わり目
⑦夜中や明け方

以上のような条件を満たすようでしたら咳喘息かもしれません。本当の(気管支)喘息は息をはく(呼気)たびごとに連続したヒューヒュー、ゼーゼー、ピーピーという喘鳴が聞かれます。咳喘息は喘息と名がついていますが 喘鳴は聴診器でも聞き取れません。しかしその本体は軽い喘息発作です。この状態を放置した場合、7割のこどもたちは将来自然に解消しますが3割ではその後、小児喘息に移行するというあなどれない状態です。
月に1回以上、かぜ以外で咳がでるようでしたら咳喘息の可能性が高く、小児喘息への移行を阻止するためアレルギー予防薬を用いたほうがよいと2012年度版の小児気管支喘息ガイドラインに明記されています。
咳の長いおこさまがおいででしたら声をかけてください。

嘔吐下痢症について

ノロウイルスによる嘔吐下痢症が今年も流行しています。
嘔吐下痢症はウイルス性胃腸炎のことで、多くはロタウイルスノロウイルスが原因です。

症状

    潜伏期間は1~2日で、典型例でははじめに吐きだし、その後下痢になります。腹痛や発熱を伴うこともありますが、多くは1週間以内に症状は改善します。
    白色下痢はロタウイルスで多いものの、ノロウイルスでもおこります。
    まれに無熱性けいれんをおこします。

鑑別診断

    経過中、高熱が続いたり下痢便に血液が混じるときは細菌性胃腸炎(サルモネラ、病原性大腸菌など)の疑いもあり、便の細菌検査が必要となります。

感染経路

    経口感染により腸内で増殖し便に排泄、嘔吐がある場合は胃にわずかに逆流した腸の内容物が吐物にも混じります。そのため予防は吐物や下痢便を処理した後の手洗い消毒にかぎります。また少数のウイルス(100個以下)でも感染し、乾燥した吐物や便中に含まれているウイルス粒子が風で舞って経口感染することもありえます。

治療

    ウイルスに対しての薬はなく、脱水の予防と対症療法になります。

ロタウイルスの予防にはワクチンをおすすめします。

ノロウイルスに有効な消毒

次亜塩素酸ナトリウムが主成分の塩素系消毒薬、漂白剤が有効です。
(ハイター、ブリーチ、ミルトンなど) 濃度は0.1%以上で使用します。

 

消毒例

手指: 石鹸と流水、特に流水でウイルスを洗い流します。
吐物や下痢便で汚染されたもの: ビニール手袋 、マスクを使用し外側から内側に向かってふき取り、処理物はポリ袋に入れて密封して廃棄。 その後を消毒薬でふき取ります。(右図)
衣類: 50倍に薄めた消毒剤をペーパータオル、 布で汚物をふき取り、50倍のものに30分つけ ます。他の衣類とは分けて洗ってください。
床: 10倍に薄めた消毒剤をペーパータオル、 布でおおい、5分おき、外から内へ向かってふき 取ります。
トイレのノブ、床など: 250倍に薄めた消毒剤でふきます。金属は30分後に水ふきします。
注意:塩素系消毒液で色落ちしたり、金属を腐食させたりします。

インフルエンザワクチン接種について

12月12日と13日はインフルエンザワクチンの在庫が若干あります。
ご希望の方は御連絡ください。

接種回数

6か月以上~13歳未満は2~4週間あけて2回      
13歳以上は原則1回接種

接種時期

13歳未満は10月中旬から開始
13歳以上では11月初旬頃に

ワクチン製造株は下記の4価です。

A型/シンガポール/GP1908/2015 (H1N1)pdm09株
A型/ホンコン/4801/2014(H3N2香港型)株
B型/プーケット/3073/2013(山形系型)株
B型/テキサス/2/2013(ビクトリア系)株

インフルエンザワクチン接種の必要性について

料金 

初回は3,500円、2回目が3,000円です

昨年接種していてもインフルエンザワクチンは不活化ワクチンのため、3~4ヶ月しか効果は持続しません。

毎年インフルエンザウイルスの流行株は変化し、昨年のワクチンは無効になります。

毎年100~300人のお子さんがインフルエンザ脳症/脳炎を合併し、致死率10%、後遺症出現率25%と大きな問題となります。

接種後であればインフルエンザに罹患しても軽症ですむことが多く、脳症などの重大な合併症をはまず心配しないですみます。またタミフルなどで脳炎/脳症は予防できないといわれています。

合併症がなくとも高熱が持続するため、4~7日ぐらいの家庭での看病が必要となります。

罹患すれば受験や大切な日に、前兆なく急に40℃以上の高熱が出現し、いくら坑インフルエンザ薬を内服しても間にあいません。

卵アレルギーはアナフィラキシーを起こすほどでなく卵の加工品をごく少量でも摂取できれば安全に接種可能です。
一冬に1回だけでなく複数回種類の違うインフルエンザに罹患することがあります。

以上のような理由でワクチン接種をお勧めいたします

インフルエンザについて

程度の差はあれ毎年流行するのがインフルエンザです。
2017年はワクチン供給が少なく感染の拡大が懸念されます。
武蔵野市 小児科 インフルエンザ

症状

    典型例では潜伏期間がは1~2日で、突然の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などで発症、かぜ症状は初期には目立たないこともあります。
    有熱期間は3~5日(平均4日)です。
    ただしインフルエンザ迅速検査を行いますと微熱程度または発熱のない方も大勢います。全員高熱がでれば皆休みますので感染拡大はないかもしれませんが元気な方も多いため流行が収まらないのでしょう。

合併症

    インフルエンザ脳症/脳炎の他に、肺炎、熱性けいれん、中耳炎、気管支喘息の発作、筋炎などがあります。

診断

    流行状況や症状および迅速診断検査でおこないます。ただし検査時期が早すぎると体内でウイルスがまだ増えておらず、陰性のことがあります。

治療

    タミフル、リレンザ、イナビルなどの抗インフルエンザウイルス薬をもちいます。使用により約1日は早く解熱しますが重症化の予防になっているかは不明です。
    なお投薬は発病後48時間以内でなければ効果は望めません。
      以前、タミフルの副反応で異常言動が問題となりました。投薬に関係なくとくに発病後2日間〜発熱中はなるべく目を離さないようにして下さい。

    その他、安静、水分の補給、状況で解熱剤を。

予防

    なによりもワクチンによる予防で、ワクチンさえ受けていれば罹患しても重症化は防げると言われます。
    インフルエンザは飛沫感染でうつり、低温、乾燥を好みます。
    そのため外出時のマスク、帰宅時の手洗い、うがいと適度な加湿(70~80%)、保温が必要です。

登園・登校

    出席基準は発症(発熱のことです)後5日を経過し、かつ解熱をした後2日(幼児は3日)経過するまでです。これは薬により解熱までの期間は短縮しますがウイルス排泄が続き、感染力が持続しているためです。

インフルエンザ脳症(脳炎)について

インフルエンザ脳症は、毎年インフルエンザ流行の時期に見られる合併症です。例年100~300人のこどもたちが罹患し、致死率5~10%、後遺症出現率25%と発症すれば大変 大きな問題となります。

脳症の典型的な症状のパターンは、1日目に高熱が出現し、2日目にはけいれん~意識障害、3日目には死亡と大変急激な経過をとります。
脳症が発症するとき、明らかな神経症状(けいれん~意識障害など)があらわれえる半日~1日前に異常言動(後述)が約半数のこどもたちに表れています。

 

原因として、アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバなど)以外の解熱剤(アスピリンなど)と言われましたが、これを投与されていなくても発生しており、脳症の原因はまだ完全には解明されておりません。
今のところ解熱剤は脳症の悪化因子と位置づけられています。

 

異常言動について

脳炎/脳症をおこした場合、約半数にけいれんや意識障害が出現する半日~1日前に以下のような異常言動が見られたとのことです。

言語: 意味不明なことを言いだす、ろれつがまわらない、知っている言葉をとりとめなく喋っていた。見えないものが見えるという(アニメのキャラ・象・怪獣など)
行動: 目的のない行動をする(自分の手を「ハムだ」「ポテトだ」と言ってかじった)。枕に頭を打ち付けて、キャーキャー叫んだ
感情:
異常に興奮したり、泣いたり、「怖い怖い」とおびえたり感情が不安定となる。急に怒り出す、大声で歌いだす
表情: 無表情、目の焦点が定まらない
認知: 親がわからない、いない人がいると言う


もしこの時点で何らかの対処が行われれば脳症に発展せず治癒できたかは不明ですが、注目すべき点だと思われます。ただし、脳症でなくともインフルエンザでの発熱による熱性けいれんや、高熱での熱譫妄(せんもう)によるうわ言、異常行動などと鑑別を要します。

身近におこり緊急を要する疾患

見のがされると後遺症や生命的な問題が危惧されるものを取り上げました。代表的なものが以下の3疾患です。

① 細菌性(化膿性)髄膜炎
② 腸重積
③ 虫垂炎

細菌性(化膿性)髄膜炎

ヒブ、肺炎球菌ワクチンで減少しましたがワクチン未接種者や少なくとも  2回終了していないとおこりえます。

《症状と診察所見》

基本的には発熱、頭痛、嘔吐です。
幼児以下ではこれらの症状がはっきりせず、なんとなく元気がない( not doing well )だけのこともあります。
また診察で最も価値ある髄膜刺激症状(項部強直:首の後ろが痛く、首を曲げておへそをみれない)もはっきりしないことがあります。
大泉門が開いている時期(生後15ヶ月ぐらいまで)では、この部の膨隆が診断の助けになります。

《鑑別診断》

ウイルス性髄膜炎はときおりみられます。症状は細菌性髄膜炎と同様ですが新生児以外では予後は良好です。
嘔吐下痢症(ノロウイルスやロタウイルス)が初期に発熱と嘔吐で発症することがあり、まぎらわしいことがあります。

《確定診断》

髄液を採取し、細胞数の増加、細菌陽性で確定となります。
原因菌)多いのが、生後3ヶ月までは大腸菌B群溶連菌(ときに流行する溶連菌はA群です)で、それ以後の年齢では ヒブ肺炎球菌です。

《予防》

なんといってもワクチンで予防することです。インフルエンザ菌へのアクトヒブ、肺炎球菌へのプレベナー13は生後2か月になったらぜひお受けになってください。

腸重積

好発時期は離乳食が開始になった5~9ヶ月児です。腸の蠕動運動の異常により、口側の腸管が肛門側の腸管にくいこむためイレウス(腸閉塞)の状態になります。

《症状》

三大症状は周期的な泣き、嘔吐、血便です。 腹痛のため激しく泣き出しますが持続的ではなく間歇的で、泣いていないときは初めのうち機嫌も悪くありません。そのうち吐き始め、普通便の中にトマトジュース様、あるいは苺ゼリー様の血便が混じってきます。 このような典型例だけではなく、嘔吐がみられずただ泣くだけや、血便の見られないケースもあります。 また、嘔吐下痢症のシーズンに嘔吐で始まり実は腸重積ということがまれにあります。

《治療》

発症24時間以内では内科的処置(空気や造影剤でくいこんだ腸管を戻す)で戻ることがありますが、時間が経つと手術が必要になります。

虫垂炎

一般的に認知度は高いのですが、小児、特に乳幼児での診断は難しい疾患の1つです。 小児では虫垂壁が薄いため容易に穿孔し腹膜炎にいたります。

《症状》

右下腹部腹痛、嘔吐、発熱ですが、腹痛ははじめお腹の真ん中や上腹部を痛がり、時間とともに右下腹部を痛がることが多いようです。高熱のときは腹膜炎の状態かもしれません。
虫垂の位置は時に個人差があり、まぎらわしい症状がでることがあります。たとえば
下痢: 虫垂炎では下痢より排便のないことが多いのですが、大腸や直腸を刺激する位置にあると下痢になります。
頻尿:虫垂が膀胱を刺激する位置にあると、膀胱炎のように頻尿になったりします。
腹痛の軽快:
虫垂の壁が破れると一時的に減圧され、腹痛が緩和されることがあります。ただしこれは腹膜炎で重症の状態です。

いわゆる夏カゼについて

ヘルパンギーナ

《症状》

突然の発熱と喉の痛みが主症状です。発熱は2日前後続きます。特徴はのどの奥に小さな水疱がいくつかでき、つぶれて口内炎になることです。このため痛みがあり、飲食物がしみてよだれも多くなります。

《原因》

腸管ウイルス(主にコクサッキーA群ウイルス)の感染により、経口感染(手から口に入る)か、飛沫感染(唾液が飛んでうつる)が主な方法です。

《鑑別診断》

手足口病・・・口内炎以外、手や足に発疹があります。
■ヘルペス性口内炎・歯肉炎・・・口内炎とともに歯肉の腫脹、出血があり、発熱が持続します。
■水痘・・・口内炎より体幹の水疱が目立ちます。


手足口病

《症状》

発疹は水痘とは異なり手足、特に手のひらや足の裏に多くでます。口内炎をともない、これはヘルパンギーナと異なり、頬の粘膜や口唇の内側や舌にもできます。発熱はあっても微熱 程度が多いです。

《原因》

コクサッキーウイルスA16とエンテロウイルス71が有名ですが、他の型のウイルスでもおこりえます。感染様式は飛沫感染か経口感染です。

《合併症》

ときにエンテロウイルス71で脳炎をおこすことがあります。
夏かぜは冬のかぜにくらべ髄膜炎や脳炎、 心筋炎を起こしやすいので注意が必要です。

《鑑別診断》

水痘・・・水痘は体から、手足口病は四肢から発疹が出ます。ともに水泡をともないます。

咽頭結膜熱(プール熱)

《症状》

高熱、のどの痛み(咽頭炎)、目の症状(結膜炎)が主なものです。発熱は39~40℃が4~7日間続き、ときに咳や鼻汁など風邪症状も伴います。のどには滲出液(膿のような白い付着物矢印)が多くの場合付着します。目の症状は眼球結膜(しろめ)の充血、眼脂です。

《原因》

アデノウイルス3型での感染が多く、他にも1,4,7,14型でも発症します。アデノウイルスの検査は迅速検査ですぐに判明します。
水を介しての感染が多いため「プール熱」とも言われましたが、現在のプールの塩素濃度では心配ありません。水以外でも感染はおこりえます。

《鑑別診断》

川崎病(MCLS)・・・高熱の持続、目の変化は同様ですが(ただし川崎病では眼脂は認めません)、発疹や舌の変化(いちご舌)、口唇の発赤、リンパ腺の腫脹が川崎病では認められます。
伝染性単核球症・・・高熱、のどの所見は似ていますが、発疹や肝臓、脾臓の腫れが本症ではみられます。

伝染性膿痂疹(とびひ)

夏に多い感染症のため掲載しました。
《症状》

もともとの湿疹や虫刺されを掻いたり、小さな傷に細菌感染を起こして生じます。急速に水疱びらん(表皮が剥離した状態)、痂皮(かさぶた)が飛び火のように拡がります。

《原因》

水疱型・・・・最も多いタイプで、(黄色)ブドウ球菌が原因です。20~40%はMRSA(多剤耐性ブドウ球菌)により、治療に難渋することがあります。
痂皮型・・・・溶連菌が原因で、ときに急性腎炎を合併します。

B型肝炎(HB)ワクチンの定期接種について

今年10月から本年4月以降の出生児を対象としてB型肝炎ワクチンが定期接種になりす。今まで母子感染予防と任意接種だけでしたがWHO加盟国193カ国のうち179カ国ですべての赤ちゃんへの接種がおこなわれています。
(地図の白色は全員接種でない国、青色は90%以上接種の国)北朝鮮では95%、中国では98%の人たちがすでに接種を受けています。

日本のHBV(HBウイルス)感染者は約130~150万人で、そのうち100万人はキャリア(感染が6ヶ月以上持続し排除されない状態)で、こどもたちが多くを占めます。肝障害を伴うと慢性肝炎で10~15%の人が肝硬変、肝癌となり年間8000人が死亡しています。一過性感染では急性肝炎か不顕性肝炎に、ときに劇症肝炎となり死亡することがあります。今までは急性肝炎は治癒すると思われていましたが、HBVの遺伝子が肝細胞内に一生涯潜み、その後膠原病や悪性腫瘍に罹患しステロイドなどの治療でHBVの再活性化から劇症肝炎で死亡することがわかってきました(de novoデノボ B型肝炎)結局は感染すれば生涯つきまとわれます。



感染源

    垂直感染(母⇒子)

    母子感染は生後すぐから予防措置がとられています。

    水平感染(母以外の人⇒子)

    komatsu H et Hepatol Res 39:569-576 2009

    ①父子感染、家族内感染では、父親がキャリアの場合こどもたちは4人に1人の割合で感染します。
    ②血液はもちろん涙、唾液、汗からも感染し保育園、幼稚園で集団感染の報告もあります。
    ③医療従事者の針刺し事故ではHBVの感染率30%、C型肝炎3%、HIV:エイズ0.3%です。
    ④成人は性交渉で。

予防

    唯一の予防法がHBワクチン(不活化ワクチン)で、生後2、3、6ヶ月の3回、図の様に同時接種が一般的です。それ以上の年令ではなるべく早い時期に接種したほうが免疫の獲得が得やすいといわれています。


発熱時の対応

普通38℃台の発熱があればとてもつらいですが、1~2歳のこどもたちは平気で遊びまわっていることがよくあります。そのため発熱への対応は年令により異なってきます。ここでは生後6ヶ月から4~5歳までの発熱時の対応をお示しします。
なお決まった方法があるわけでなく、方法の1つと思ってください。


◆ 熱の上がりはじめあおい顔をし寒気を訴えたり(悪寒)、ふるえ(戦慄)があるときは布団をかけてもよいですがそのまま放置していると次に高熱になり熱性痙攣を起こしやすくなります。

◆ 触って体が熱い時はまず布団をとりタオルケットなど薄いものをお腹にかけてください。さらに室温を20~25℃くらいにし、夏であれば体に直接冷風をあてないようにしてクーラーなど使用してください。

◆ 熱のためぐずぐずし始めればわきの下(腋下)、足のつけ根(鼠径部)、さらに熱の下がりが悪いときには首のつけ根など太い動脈が走っている上をクーリング(保冷材をタオルで巻いて)してください。ちなみにヒエピタなどは解熱効果が期待できません。

◆それでも体温が下がらず母乳、ミルクを含めた水分の取りが悪いとき、寝るに眠れないときやあまりにぐずりが強いときには解熱剤を使用し、さがって機嫌のよいときになるべく水分をあげてください。 なお40℃以上になるようならいくら元気でも解熱剤を使用してください。

参考までに

その1) もそも発熱は生態防御であり熱が高いほど免疫機能が高まりますしウイルスや細菌が増えやすいのは平熱から微熱までです。そのため発熱性疾患で解熱剤を常用し熱を上げないようにするとかえって悪化することがあります。


その2)  発熱で水分の摂取や眠れないのを放置すると脱水や体力の問題となります。解熱剤を使用し気分のいいときになるべく飲ませてください。


その3) 4~5歳以下では発熱時に布団をかけすぎて熱がこもると(うつ熱状態)、熱性けいれんを10人に1人弱の頻度で起こします。とくに日本人は熱性痙攣をおこしやすい民族です。


その3) 4~5歳以下では発熱時に布団をかけすぎて熱がこもると(うつ熱状態)、熱性けいれんを10人に1人弱の頻度で起こします。とくに日本人は熱性痙攣をおこしやすい民族です。


24時間は体温が上がらないのを確認してから登園してください。

但し基礎疾患(心疾患など)のある方は主治医に相談して下さい。

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